金融からITベンチャーへ転職し、4ヶ月で戻った経験から考える転職
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転職を考えるとき、「今の業界に留まるべきか、それとも違う業界に飛び込むべきか」で悩む人は多いと思います。筆者は新卒で金融業界に入り、5年間勤務したのちにITベンチャー企業へ転職し、4ヶ月でその会社を離れて金融業界に戻るという経験をしました。異業種転職を検討する際に確認しておきたいことを、この経験から考えてまとめます。
金融からITベンチャーへ転職した経緯
新卒で金融系の会社に入社し、5年間勤務したのち、ITベンチャー企業へ転職しました。業界を変える転職では、意思決定のスピード・組織の階層構造・評価される能力の種類などが大きく変わることが一般的に指摘されます。実際に転職してみると、「同じ会社員」という括りでは説明できないほど、業界ごとに仕事の前提そのものが違うことを実感しました。
4ヶ月で金融業界に戻った判断
結果として、筆者はITベンチャーに4ヶ月在籍したのち、金融業界に戻る決断をしました。短期間での転職・再転職には、職務経歴書上どう説明するかといった懸念もありますが、自分に合わない環境に長く留まり続けるより、早めに軌道修正する方が結果的にキャリアにとってプラスになる場合もあると考えています。
この経験から考える、転職前に確認しておきたいこと
- 業界が変わることで、仕事の進め方や評価される能力がどう変わるかを事前に調べる
- 可能であれば、転職先の業界で働く人に話を聞く機会を作る
- 在籍期間が短くなった場合、その後の転職活動でどう説明するかを考えておく
- 「合わなければ戻る・再度転職する」という選択肢も現実的にあることを念頭に置く
転職は必ずしも「成功」がゴールとは限らない
転職に関する情報の多くは「成功させる方法」に焦点を当てていますが、実際に転職してみないと分からないことも多くあります。筆者の場合は、転職して4ヶ月で「合わない」と判断し、金融業界に戻るという選択をしました。これは一般的な意味での「転職の成功」とは言えないかもしれませんが、早い段階で判断を修正できたという点では、悪い結果ばかりではなかったと感じています。
異業種転職でつまずきやすいポイント
実際に異業種へ転職してみて感じたのは、「同じ会社員」という括りではまとめられないほど、業界ごとに仕事の前提が違うということでした。この実感を踏まえたうえで、異業種転職で一般的につまずきやすいと言われるポイントを整理すると、次のようなものが挙げられます。
- 評価基準の違い:これまでの業界で評価されてきた実績・スキルが、転職先の業界ではそのまま評価対象にならないことがあります
- 意思決定のスピード感の違い:稟議や承認のプロセスが業界・企業規模によって大きく異なり、慣れるまで戸惑いやすいとされています
- 専門用語・商慣習の違い:業界特有の用語や商習慣に慣れるまで、会議や資料の内容を理解すること自体に時間がかかる場合があります
- 人脈のリセット:前職で築いた業界内の人脈やネットワークが、異業種ではそのまま活かしにくいことがあります
これらはあくまで一般的に指摘されやすいポイントであり、業界の組み合わせや企業文化によって程度は異なります。
転職・離職に関する公的な統計
厚生労働省の「雇用動向調査」によると、令和6年(2024年)の離職率は前年(15.4%)から低下傾向にあり、令和7年(2025年)上半期の速報値では全体の離職率が8.1%(前年同期比0.3ポイント低下)となっています。この数値は業界を問わない全体の離職率であり、異業種転職に限定した統計ではありませんが、転職・離職自体は労働市場において珍しい出来事ではないことがうかがえます。
なお、この統計は転職・離職の「良し悪し」を示すものではなく、あくまで労働市場全体の動きを表す参考データです。
業界を変える前に確認しておきたいチェックリスト
- 転職先の業界で、どんなスキル・実績が評価されやすいかを事前に調べる
- 意思決定のスピード感や組織の階層構造について、可能であれば転職先の業界で働く人に話を聞く
- 在籍期間が短くなった場合、その後の転職活動でどう説明するかをあらかじめ考えておく
- 「合わなければ戻る・再度転職する」という選択肢も現実的にあることを念頭に置く
- 今の業界に残った場合と、異業種に挑戦した場合の両方のキャリアパスを比較してみる
よくある質問
異業種転職は難しいのでしょうか?
業界の組み合わせや個人の状況によって異なるため一概には言えませんが、評価基準や仕事の進め方が変わる分、同業種内の転職に比べて慣れるまでの負荷は大きくなりやすいと一般的に言われています。実際に筆者自身も、業界の前提の違いに戸惑った経験があります。
短期間で退職すると、その後の転職活動で不利になりますか?
在籍期間の短さについて聞かれる可能性は高いため、なぜその判断をしたのかを自分の言葉で説明できるようにしておくことは有効だと考えられます。筆者自身も、金融業界に戻る際にはこの点を意識しました。ただし、説明の仕方によって評価がどう変わるかは、企業や採用担当者によって異なります。
合わないと感じたら、元の業界に戻るのは甘えでしょうか?
「甘え」かどうかは他人が決めることではないと筆者は考えています。合わない環境に無理に留まり続けるより、早い段階で判断を修正する方が、結果的にキャリアにとってプラスになる場合もあります。
まとめ
金融業界からITベンチャーへの転職、そして4ヶ月での金融業界への復帰という経験を通じて一番伝えたいのは、「異業種に転職すること自体」を成功のゴールにしないほうがいい、ということです。転職先の情報はできる限り事前に集めつつ、それでも合わなかった場合に軌道修正するという選択肢も現実的にあると知っておくだけで、いざというときの心理的な負担はかなり軽くなると思います。会社を替えること以外にも、会社に副業申請を出してみたのように、今の会社にいながらキャリアの幅を広げる選択肢もあります。
参考情報・出典
- 厚生労働省「令和6年 雇用動向調査結果の概要」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/index.html)
- 厚生労働省「令和7年上半期雇用動向調査結果の概要」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/26-1/index.html)


